2024年パリ五輪卓球「混合ダブルス」で、優勝候補の一つだった日本の張本&早田ペアを1回戦で倒した北朝鮮ペア。
「謎の北朝鮮ペア」は、決勝まで勝ち進み、中国のペアと対戦。銀メダルを獲得しました。
北朝鮮ペアは何者なのでしょうか。また、強さの理由は何なのでしょうか。
混合ダブルス「謎の北朝鮮ペア」は何者?
2024年パリオリンピックで、日本の張本&早田ペアを打ち負かし、決勝まで進出している「謎の北朝鮮ペア」は何者なのでしょうか。
謎の北朝鮮ペアは次の2名
- 男性:李正植(リ・ジョンシク)
- 女性:金琴英(キム・クンヨン)
「謎の北朝鮮ペア」は、国際大会への出場がほとんどなく、他国との合同練習も一切なし。
どんな技を得意としているのか、弱点は何なのか等、他国には全く知られていない存在です。
【顔画像】李正植(リ・ジョンシク)のWiki風プロフィール
李正植(リ・ジョンシク)さんのプロフィールはこちら!
- 名前:李正植
- 読み方:リ・ジョンシク
- 英語表記:Ri Jong Sik
- 生年月日:2000年2月14日
- 年齢:24歳
- 性別:男性
- 国籍:朝鮮民主主義人民共和国
- 種目:卓球混合ダブルス
- ITTF世界ランキング最高:299位(2019年12月)
李正植(リ・ジョンシク)さんは、2015年のアジアジュニア・カデット選手権から国際大会に登場。
卓球を始めた時期については分かりません。
15歳から国際大会に出場しているので、北朝鮮ではかなりの英才教育を受けて育った選手なのではないでしょうか。
李正植(リ・ジョンシク)さんは、2019年のアジア選手権男子ダブルスでベスト8に入った後は、国際大会に登場していませんでした。
しかし、2023年のアジア競技大会で再び国際大会に登場しています。
現在(2024年7月)の世界ランキングは、322位です。
【顔画像】金琴英(キム・クンヨン)のWiki風プロフィール
金琴英(キム・クンヨン)さんのプロフィールはこちら!
- 名前:金琴英
- 読み方:キム・クンヨン
- 英語表記:KIM Kun Yong
- 生年月日:2001年8月17日
- 年齢:23歳
- 性別:女性
- 国籍:朝鮮民主主義人民共和国
- 種目:卓球混合ダブルス
- ITTF世界ランキング最高:444位(2019年9月)
金琴英(キム・クンヨン)さんは、2019年の世界ジュニア選手権で北朝鮮が女子団体で銅メダルを獲得した時のメンバーの一人です。
当時のチームメンバーに、パリ五輪・卓球女子シングルスに出場しているピョン・ソンギョンさんがいます。
その後は国際大会に登場していませんでしたが、2023年のアジア競技大会に登場しています。
金琴英(キム・クンヨン)さんは、ここ数年国際大会にほとんど出ていないので、現在は世界ランキングに名前すら載っていません。
「謎の北朝鮮ペア」卓球強さの理由は?不正ラバーの使用?
卓球男女混合ダブルスで、決勝まで勝ち上がった「謎の北朝鮮ペア」の強さの秘密は何なのでしょうか。
次の5つが考えられます。
- 他国に手の内が研究されていない
- 他国の選手の研究を入念にしている
- 不正ラバーの使用
- 李正植(リ・ジョンシク)の正確さ
- 金琴英(キム・クンヨン)のパワープレイ
順番に見ていきましょう。
他国に手の内が研究されていない
「謎の北朝鮮ペア」は、コロナ禍に入ってからの国際大会への出場が極端に少なく、日本も中国も、北朝鮮ペアを研究しきれていません。
「謎の北朝鮮ペア」は、チェコで五輪予選を勝ち抜いて、パリオリンピックの出場権を手にしていました。
日本卓球チームの監督・田勢氏は、インタビューに次のように答えています。
初めての対戦にはなりますけど、五輪予選での映像は見ていました。思っている特徴はあったけど、実際にやってみないとわからない。女の子のほうを気にしていたのですが、男の子のほうが意外と思い切って、(張本)智和のほうを全部カウンターしてきて、ミスもしなかったですね…… ーNumberWebよりー
ビデオでは見たことがあったけれど、実際に対戦するのは初めてだったのですね。
初対戦で男女が替わるので、基本初顔合わせのミックスって1-1になりやすいんです。1ゲーム目、あっさり負けてしまったので、競っていたら情報が入ったんですけど……。情報がないなかで、3ゲーム目をどう戦うかという状況になってしまった。1ゲーム目の立ち上がりが悪かったのが大きかったです。 ーNumberWebよりー
対戦相手のことがよくわかっていない場合、1ゲーム目で相手の情報を集めます。
しかし、1ゲーム目が北朝鮮優勢のまま、すぐに終わってしまいました。
このことにより、情報不足のまま、その後の試合を行わなければならず、日本に不利に働いたようです。
他国の選手の研究を入念にしている
他国に選手の情報を漏らさない北朝鮮。
しかし、日本や中国の卓球選手の情報はしっかり持っており、分析されていたと考えられます。
不正ラバーの使用
試合前に、互いのラバーをチェックするのですが、日本の張本選手によると「異質なラバー」だったそうです。
張本選手は、「女子選手の異質なラバー、通常のラバーとは異なるラバーだった」とコメント。試合前、互いにラケットをチェックする際には入念に確認する姿もありましたが、最後まで対応はできませんでした。 ー日テレNEWSよりー
実際に、北朝鮮の金琴英(キム・クンヨン)さんの使っていたラケットのラバーが、「不正ラバー」にあたるのかはわかりません。
これまでの卓球の国際大会では目にしたことのないようなラバーだったというだけで、禁止されているラバーというわけではなく、北朝鮮では昔から使われているラバーのようですね。
技術的なポイントとなったのが、キム・クンヨンがラケットのバック面に貼っている「表ソフト」または「粒高」と呼ばれる、通常より回転をかけにくいラバーである。トップ選手では使用者が少ないため、そのラバーで放たれる回転量が少なめのボールに対しては、わずかに反応が遅れる。そのボールに対してリ・ジョンシクが剛球を打ち込むのが北朝鮮の得点パターンに見えた。 ー読売新聞オンラインー
北朝鮮がオリンピックのために、国産で独自に開発したラバーなのでしょうか。
しかしながら、試合前に互いにラバーをチェックした上で試合を行っているので、「不正ラバーだから反則負け!」と後から抗議することは現実的ではないでしょう。
李正植(リ・ジョンシク)の正確さ
日本VS北朝鮮の混合ダブルスの試合後、張本選手は、李正植(リ・ジョンシク)選手について「男性選手が両ハンドミスなく、パワーのあるボールを打ち込んできた」と答えています。
相当な練習を積んだ選手だったようです。
金琴英(キム・クンヨン)のパワープレイ
監督・田勢氏によると、金琴英(キム・クンヨン)選手は五輪予選のビデオを見た段階で、警戒するに値すると感じさせた選手だったようです。